牛尾 剛さんの著書『世界一流エンジニアの思考法』を読んだので、感想をまとめます。
読み始めた動機
ぼくはかつて与沢翼さんのオンラインサロンに加入していたのですが、サロンの中で牛尾さんの「プログラミングというより物事が出来るようになる思考法」というnoteが紹介されたことがあり、それをきっかけに牛尾さんのnoteを読むようになっていました。
その牛尾さんが執筆された本なら絶対に読みたいと思い、手に取りました。
読んだ感想
ぼくは2023年6月にWebエンジニアになりました。
エンジニアになってから読んだ本の中でNo.1だと感じています。
エンジニアにとっては明日からすぐ実践しやすい取り組みやマインドセットがたくさん出てくるため、「読んで終わり」になりにくい本だと思いました。
エンジニアのことを理解したい非エンジニアや未経験の人にもおすすめですね。
「エンジニアはこういう風な考え方をするんだ」というのが理解できる内容だと思います。
印象に残った話とアクションプラン
印象に残った話と、その話をもとに設定したアクションプランをまとめます。
理解に時間をかける
どんなに頭がいい人でも理解には時間がかかるものなのだ。頭のいい人が理解が早いように見えるのは、そうやって時間をかけて基礎を積み重ねているので、既に理解していることに関して頭のメモリにコンテキスト(文脈)が載っているからだ。
牛尾 剛. 世界一流エンジニアの思考法 (文春e-book) (p.27). Kindle 版.
理解が十分でないまま手を動かして努力しても、空回りになるだけで身につかず、あやふやの試行錯誤は取り組んだことも忘れやすく頭に残らない。「何かを早くできるように急ぐ努力」がかえって本質的な理解を遠ざけてしまうのだ。
牛尾 剛. 世界一流エンジニアの思考法 (文春e-book) (p.28). Kindle 版.
理解にしっかりと時間をかけるのを恐れないのだ。
牛尾 剛. 世界一流エンジニアの思考法 (文春e-book) (p.31). Kindle 版.
アクションプラン
- OpenAPIのReDoc, Generatorなど、理解が曖昧なまま使っている技術のコードやドキュメントを読み解き、仕様の全貌を把握する
- 「こんなこともわかっていないの?」と思われることを恐れず、ミーティング内で疑問を解消し、不明点や曖昧な点を残さない
小さなドキュメントをコードの前に書く
・ドキュメントを書くことで自分の頭が整理される。抜け落ちていた視点などに気づくことができる。・考えているときに書けば、自動的に〝ドキュメント〟になるので、それをシェアするだけですむ。後でまとめて退屈なドキュメントを書かなくてよい。
牛尾 剛. 世界一流エンジニアの思考法 (文春e-book) (p.39). Kindle 版.
アクションプラン
- タスクに取り掛かるときは最初にドキュメントを書く
- ドキュメントには思いつくかぎりの実装方針とそれぞれのメリット・デメリットをまとめる
- 画面単位で実装する際は、フロントエンドだったら必要なコンポーネント、バックエンドだったら必要なAPIを事前に洗い出してから作業を始める
一つだけピックアップする
私は優先順位をうまくつけるのが本当に苦手で、あれもこれも大切に見えてしまう。だから思い切って、「一番重要なのはどれか?」を考えてそれだけをやるようにした。
牛尾 剛. 世界一流エンジニアの思考法 (文春e-book) (p.61). Kindle 版.
一番重要な「一つだけ」をピックアップする癖をつけると、時間がないときも、少なくともポイントを外さない仕事を高速で回せるようになってくる。
牛尾 剛. 世界一流エンジニアの思考法 (文春e-book) (p.61). Kindle 版.
アクションプラン
- 業務開始後、その日やるべき一番大切な作業を考え、ランチまではその作業だけに集中する
「ググらずに即実装できるレベル」を増やす
「何かを身につける」のは、決して即席ではできない。時にはじゃぶじゃぶ時間を使うことだって必要だ。そうやって技術を徹底的に理解し、理解した情報の整理をして、すぐに取り出せるレベル1(何もググらずに即座に実装できる)の状態にしてこそ、長い目で見たさいの生産性は上がる。
牛尾 剛. 世界一流エンジニアの思考法 (文春e-book) (p.97). Kindle 版.
メンタルモデルを脳内に作成するためには、単にやって終わりではなく、細かいところまで自分で「ハンドル」できるレベルまで理解して、整理する必要がある。つまりレベル1の領域だ。そのためには単に「できた」ではなく、少なくとも「説明可能か?」というセルフチェックを入れたほうがよい。人に説明可能な状態にもっていく訓練として最良の手段の一つは、ブログを書いてみることだ。
牛尾 剛. 世界一流エンジニアの思考法 (文春e-book) (pp.107-108). Kindle 版.
アクションプラン
- 業務や個人開発で直面した問題やエラーをブログにまとめる
生産性を上げたければ定時上がりが効率が良い
「生産性を上げるためには学習だよ。だから、僕は仕事を定時ぐらいで切り上げる。その後で、自分のやりたいトピックを勉強したり試したりする。ずっと仕事していると疲れるし、たとえ同じプログラミングでも、仕事と切り離したものはリラックスしてできるよね」
牛尾 剛. 世界一流エンジニアの思考法 (文春e-book) (p.190). Kindle 版.
アクションプラン
- 作業が中途半端だったとしても残業はせずに定時で切り上げる。その代わり朝や業務後の時間に最低30分ずつ学習の時間を設ける。この時間で個人開発を進めたり、その日にハマった問題をブログにまとめたりする。
おわりに
本当にいい本だと感じました。
定期的に読み返し、自分の中に本書の考え方を刷り込ませていきたいです。
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